何の変哲もないごくありきたりのTシャツ、短パン、ビーサンというスタイルなのに、妙にかっこよく見える人に出くわすことがある。
何を着てもそれなりにおしゃれに見えてしまう類の人達である。
R君はまさにそんな人だった。
彼は高価な服はあまり着ていなかったし、シンプルな定番モノばかり着ていたけれど、いつもカッコよくておしゃれに見えた。
ある時、R君はいつもの優しい笑顔で僕にこう言った。
「僕らもいい歳になったし、そろそろどんな服着てもかっこよく見えるような大人にならないとダメですよね! 服の方からこっちに合わせてくるというか、すり寄ってくるというか…」。
R君は9年前の夏、41歳という若さで亡くなってしまったが、彼のスタイルは今でも僕の着こなしのお手本、そして目標である。