なんとなく朝晩の冷え込みもなくなり、都内でも来週には桜の開花がスタートするかも?なんて声も聞こえてきました。
桜といえば「お花見」に代表される賑やかな春のアイコンでもあり、一方では1年でわずか1週間ほどしか花をつけない「儚さ」の象徴。古来から日本人の心の琴線に触れてきた「やがて散るからこそ、美しい」という思想は、加水分解という問題を避けて通れない「スニーカー」にも通じるものがあります。履けば当然ボロボロになるが、大事に保存しておいてもやがては劣化する。だからこそ、その「変化」すらも愉しもうではないか、という思いでつくられたのがこちら。
かつてPUMA(プーマ)が桜の季節にあわせて発売した「Made in Japan」モデルのこちら、上質なスエード素材に、桜の花びらから抽出された色素を用いた天然染色でこの繊細な色合いが表現されているのですが、それゆえにこの色は時間の経過とともに薄れていくのだとか。作り手側としては、その薄れゆく様も、味わってほしい、とのことのようです。
一度履いたらすぐに汚れてしまいそうで、購入してから履くどころかもったいなくて、写真にあるとおり、一度も紐すら通していないのですが、もしかしたら買った当時からはほんのり薄紅色が抜けてきているのかも、、、
失われるのは避けられないとはいえ、少しでも長くこの色の美しさが保たれるといいのですが、それもまた傲慢な考え方なのか、、、スニーカーにちょっとだけ人生の何たるかを考えさせられてしまう、ある意味で罪深い一足かもしれません。