子鉄たちが生まれる前は、金曜の夜になるとふらっと夜行列車に乗って、土日を見知らぬ土地で過ごして月曜朝また仕事に・・・なんてこともありました。
自分自身も、そして鉄道の世界も環境が変わり、今やそんな「ふらっと夜汽車に乗って」なんて体験がなかなか気軽にできなくなってきましたが、今なお現役でその役目を一身に背負ってくれているのが「サンライズ出雲・瀬戸」。
1998年、20世紀の終わりに「次世代の夜行列車」という感じで登場したときは、これまでのブルートレインとは違う、なんとなくビジネスホテルやカプセルホテルに泊まったまま汽車の旅をしているような特別感があり、初めて乗ったときは衝撃を受けた記憶があります。
大人になってからもたびたび乗っていたのですが、夜10時ごろに東京駅で乗車して、個室に入るとまず備え付けのパジャマタイプの浴衣に着替え、おつまみを広げて缶ビールをプシュッと・・・・サンライズの個室の窓はなかなかに大きいので景色が良く見えるのも魅力のひとつですが、この時間帯はホームには人がたくさん。うっかりカーテンを開けたままでいて、品川や新横浜あたりで、帰宅途中のサラリーマンと目があったりすると9割の気まずさと1割の優越感(苦笑)・・・なんともいえない背徳感もまた、この度の醍醐味のひとつでもあります。
と、そんな背徳の旅もすっかりご無沙汰ということで、せめてあの頃の気分だけでも・・・と購入したのがこちらの「サンライズトラベルセット」。
今はサービス終了となったのですが、かつては個室に入ると浴衣と一緒にこちらが用意されていて、そのホスピタリティにも感動したものです。
当時のまま・・・というわけにはいかなかったようですが、現在はその復刻版として一般発売されており、あの頃の旅の気分をほんのちょっと思い出すことができます。
今夜はおうちで、気分だけでも。