電車の揺れは少ない方がよい。
そう思いがちですが、実はあえて車体を傾斜させる、つまり電車を「揺らす」ことで山間部の運行を安定させてきたのが、いわゆる「振り子式」と呼ばれる「(国鉄)381系」でした。その中でも代表的なのは1982年(昭和57年)に岡山⇔出雲間に投入された特急やくも(スーパーやくも)。以来、40年以上にわたり、昭和から平成、そして令和へと長らく現役を続けてきました。
長年この揺れが、車酔いの人にはかなりキツく、そうでない人にはある種の旅情感を演出してきたのですが、ついに走る昭和の鉄道遺産にも引退の日が近づいてきました。
先日、特急やくもに新型車両「273系」の投入が決定。モダンなビジュアルも明らかになり、そして同時に、来年春からは「381系」と順次入れ替えとなるようです。
ラストランはいつになるか、まだきちんとわかっていないのですが、お別れ前にもう一度乗っておきたい電車のひとつ。
本州最後の国鉄特急が引退、という意味合いもある今回のニュース。
国鉄時代の記憶が少しずつ日本の鉄道から薄れゆく中ですが、個人的にもとってもお世話になった「381系」にはこれまでと変わらず頑固に揺れながら、最後まで無事駆け抜けていってほしいとおもいます。