さて写真は、主に信越本線で運行しているJR東日本の「E129系」と呼ばれる普通電車。
日常生活の中で利用されることが多い、いわゆる「通勤・通学電車」という部類です。
一見、なんの変哲もない(というと語弊がありますが)電車ですが、実はここに日本が誇る鉄道技術の粋が隠されているのです。
この車両のブランド名はずばり、「sustina(サスティナ)」。
もともとオールステンレス車両の製造に一日の長がある東急が中心になり、国外向け、つまり輸出を想定した施策の一環で、日本発信のステンレス車両ブランドとして2012年に始まったのですが、サスティナ=サスティナブルと容易に連想される通り、安全性やリサイクル性が高く、地球環境にやさしい車両という側面があります。
しかし、サスティナブルの有効性は本日の本筋ではなく、鉄的に注目したいのはそのデザイン性の進化です。
ステンレス車両というと、ひと昔前までは溶接痕やビスなどが露になった武骨なイメージが強かったのですが、この「sustina」はレーザー溶接の技術を高めたことで、よりフラットな見た目が意識されています。観光列車ならともかく、みんなが効率重視で使う通勤電車に「美観」なんて二の次にされそうなものですが、そんな普段は目にも留まらない些細な美にこだわるところに、日本の高い鉄道技術を支える真髄があるように感じられてなりません。
2013年に東横線で第1弾が導入されて以来、日本各地にこの「sustina」車両は拡大中。
あなたの街で、普段使っている通勤・通学電車も、もしかしたら。