令和四股名考、第2回目にして早くも普通の「苗字」の力士が登場です。
というのも、これには理由が。若貴ブームののち、朝青龍や高見盛らによる局地的な盛り上がりはあったものの、長らく人気が低迷気味だった大相撲界に再び「バブル」をもたらした立役者こそ、人気力士・遠藤(えんどう)関。そのイケメンぶりから女性の相撲ファンが急増、そして出世も早く、新十両・新入幕とトントン拍子にいったこともあってか、本名からいわゆる力士らしい四股名に改名するタイミングを逃した感もあり、今やすっかり「遠藤」という四股名が定着してきました。
遠藤の影響か、その後「出世しても、あえて苗字のまま上で取り続ける」力士が増えることに。昔ももちろん本名の四股名の力士は何人かいましたが今ほど上位力士に多い時代はなかなかないのではないでしょうか。ざっと挙げても遠藤以外に、高安、正代、宇良・・・さらに下の名を四股名にした明生や勇磨など、ちょっとしたムーブメントとなっています。
そんな遠藤、一部の好角家の中では噂されていた四股名が「清水川」。所属する追手風部屋の創設者、元大関・清水川の由緒ある四股名であり、実際に2014年頃には三役昇進したら「遠藤改め清水川」が規定路線のように語られていたことも。その後、小結昇進後も清水川に改名する気配は見られず約10年が経過。遠藤自身も今や32歳の立派なベテラン力士となり、「幻のプロジェクト」のまま終わりそうな予感も。
写真のように、往年の貴乃花を思わせる美しい四股、そして端正な顔立ちには、「清水川」の四股名がぴったりだったんだけどなあ・・・と些か残念な思いもありつつ、一縷の望みはまだあるのかもと夢想を続ける日々。果たして・・・?