力士の四股名というのは、デビュー時からずっと変わらないわけではなく、その出世に沿って「格」が上がったり、あるいはゲンをかついで改名したり、まあ色々なパターンがあるわけですが、その中でもひと際「大相撲の世界ならではだなあ」と感じさせられるのが、「師匠が交替したことがきっかけで改名するパターン」です。特に平成以降、師匠の現役名から一字戴くというケースが急増、その流れは令和の大相撲でも隆盛を誇っています。
こちらの隆の勝(たかのしょう)関もそのひとり。
彼はもともと、元関脇・舛田山の19代千賀ノ浦親方の弟子。ということで、入門時には師匠から一文字もらって「舛ノ勝(ますのしょう)」と名乗ります。その後、幕下上位まで昇進したタイミングで師匠が元小結・隆三杉の20代千賀ノ浦親方に代替わり。すぐには改名せず、一旦は心機一転ということで「舛の勝(ますのしょう)」に改名。やがて新十両昇進にあわせて、新師匠から一文字もらい「隆の勝(たかのしょう)」に改めました。
しばらく十両と幕内を行ったり来たりが続きますが、2020年以降は一気に「大関候補」にまで大出世。ここ最近は下位に低迷はしていますが、幕内の実力者として令和の土俵で存在感を発揮しています。
9日から始まる大相撲名古屋場所で復活なるか。ぜひご注目を。