汽車、電車、列車。いわゆる「鉄道の車両」ひとつとっても、日本語では様々な言い回しがあります。では、こちらの写真は3つのうち、どれにあたるのでしょうか?
実は・・・3つとも(ある意味で)正解。
まず明治時代、日本に初めて鉄道が生まれたとき、蒸気機関車が客車などを牽引して走る編成でした。「汽」の一字は蒸気を用いる行為を指すので、そのまま「汽車」と呼ばれるようになったのではと言われています。そしてやがて電気で走る車両(路面電車)が生まれると「電車」という言葉が誕生します。ただすぐに汽車がすべて電車に替わった・・・わけではなく、特に地方では昔ながらの蒸気機関車と併用されていたことから、「汽車」「電車」というふたつの呼び方が2023年の今も残っている、というわけです。
写真の車両のように、例えば山陰地方では今も「電車」であっても「汽車」と呼ぶ言い方が一般的だったりします。
そして「列車」とは、番号が振られた「営業」している車両のこと・・・・つまり、日本でお客さんをのせて、あるいは貨物を積んで走る車両は全部「列車」と呼ぶのです。
なんともファジーな3つの呼び方。まあある意味でとっても「日本語」らしいのかも。