鉄道唱歌、と聞いても鉄道好き以外はピンと来ない人が多いかもですが、きっと多くの人がメロディを聴けば「ああ、なんか聴いたことある!」となることでしょう(気になる方は試しにYouTubeなどでもたくさん動画が上がっているのでぜひチェックしてみてください)。
「鉄道唱歌(てつどうしょうか)」は、明治時代に当時の子供たちの地理教育の一環、という名目でつくられたもので、全部で374番まであり(諸説あり)、全曲通して歌うと1時間は優に超えるそうです。その中でも一番最初につくられた「東海道篇 第1番」の歌詞がもっとも有名で、ブログタイトルの一節ではじまります。
実は当初、詩人の大和田建樹がつくった歌詞を、複数の作曲家がパート分けして制作する・・・という試みがなされたのですが、そのうちのひとり、多 梅稚(おおの うめわか)という方の付けたメロディがあまりに耳馴染みが良く、みんなそっちばかり好んで歌うようになったため、現在のパターンが定着した・・・という経緯があります。この「東海道篇 第1番」ももちろん、彼が作曲したもの。後世につくられた替え歌も多く存在していることもあり、前述の通り、鉄道唱歌とは知らずにメロディだけは記憶がある・・・という人も多いほどに日本人の耳に定着しています。
このメロディ、かつては東海道新幹線の車内チャイムでも流れていたので、そっちで記憶に残っているという方も多いかもしれませんね。かくいう自分もそのひとり。
国鉄からJRになり、時代も昭和から平成、令和と移り変わるにつれ、駅でこのメロディを耳にすることもすっかり稀少になりましたが、今も品川駅の東海道線ホームなど一部では発車メロディとして流されており、仄かに旅情感をかきたててくれています。