よくある線路の風景・・・に見えますが、実は。
京成金町駅と京成高砂駅を結ぶ、わずか2.5キロほどの短い路線、京成金町線。
間にある柴又駅が観光スポットということでもっぱらそのアクセス線として現在では賑わいますが、もともとこの柴又駅と金町駅の間には「帝釈人車鉄道(のち帝釈人車軌道)」という、人力で車両を動かすタイプの路線が走っていました。トロッコのような車両1両あたり6人の乗客を乗せ、1人の運転士が押して動かしていたそうです。時代を感じますね・・・。1899年の開業から、現在この区間を走る京成電鉄に事業譲渡される1912年まで、わずか10数年の現役生活でありましたが、今でも日本の鉄道史の黎明期における貴重な「廃線跡」のひとつとして、往時の姿を忍ばせています。
写真は柴又駅のホームから、京成金町駅方面を望む線路。
かつて「人車」が走った道、それから約百年経ち今は「電車」が走っているわけですが、果たしてさらに百年後にはどんな乗り物がこの道を走るのか――これまた、鉄道を巡る浪漫ですね。