蒸気機関車、いわゆるSL(Steam Locomotiveの略。これ、実は日本だけの呼称らしいです)というと、地方都市では主に観光の目玉として運行されているのも珍しくないのですが、こと東京近郊という立地においては、現代ではなかなか気軽に乗りにいけない鉄道のひとつ。
しかし、そんな中でも都心から1時間ほどのアクセスで乗りに行ける、そう「都心から一番近い蒸気機関車」として愛され続けているのが、秩父鉄道が運営する「SLパレオエクスプレス」です。
埼玉のターミナル駅のひとつである熊谷駅と、秩父本線の三峰口駅の間を約2時間半で結び、美しい長瀞渓谷をゆっくりと眺めながら旅をすることができます。東京駅から熊谷駅までは、JR湘南新宿ラインなら約1時間。比較的「気軽」にSL体験を愉しむことができます。料金も、熊谷⇔三峰口間の乗車料金960円に、指定席券がネット予約(クレカ決裁のみ)で1000円、合計で片道2000円以下で乗車することができ、他の観光列車と比べても比較的リーズナブルな設定。子鉄も大喜びなこと間違いなしな、都心から日帰りで行ける非日常「鉄」体験ですね。
そんなSLパレオエクスプレスですが、実は今年で誕生から35周年。1987年に当時近隣の小学校に展示されていたSL車両を「復活」させるかたちで運行が始まったのですが、よくぞ令和の今まで現役で、しかもこんなに綺麗な状態で!ここ最近、地方SLの引退のニュースが多く聞かれる中、まだまだ40年、50年と元気で運行してもらいたい鉄道のひとつです。