長崎県平戸市出身の若手力士、「平戸海(ひらどうみ)」関。
四股名としては非常にストレート。出身地、そして長崎県と言えば「海」ということで、この抜群の「わかりやすさ」、最近では同じ若手力士の熱海富士関と双璧をなすネーミングといえるでしょう。
鍛え上げられた強靭な肉体、引くことを知らぬ徹底した押し相撲は、ファンとしても見ていて非常に気持ちが良い。そして師匠は、このブログでも以前ご紹介した「漢・境川」こと、元・両国の境川親方というのも、納得。さらに最近ではすっかり珍しくなった「中卒からのたたき上げ」。まさに昔から相撲界に伝わる「ちゃんこの味が良く染みた(いわゆる、若いときからしっかりと相撲部屋の中で時間をかけて成長してきた、の意)」おすもうさんのひとりです。
15歳で入門し、現在は23歳。先月の春場所では自己最高位となる前頭4枚目で9勝をあげ、来たる夏場所では三役目前の地位まで迫ることになる平戸海関。
ここ最近、有名高校や大学で実績を積んで鳴り物入りで入門する若手力士に注目が集めることが多い相撲界において、10代の期間にしっかりと猛稽古を重ね、着実に力をつけてじわじわと番付をあげていくその成長曲線には、ひとつのロマンを感じさせます。いろいろな意味で、つい思い入れをもって「応援したくなる」力士のひとりです。