おそらく一年で最も演歌を聴きたくなる日、それが大晦日。
近年は「紅白」もすっかり演歌離れが進んでいますが、最後の牙城を護り抜いているひとり、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」と「天城越え」の隔年ローテーションは、年末の新たな風物詩と言えるでしょう(今年は「天城越え」の年ですね)。
さて、変わりゆく年末の風物詩と言えば。
先ほど触れた「津軽海峡・冬景色」の冒頭、「上野発の夜行列車 おりたときから 青森駅は雪の中」にある「夜行列車」とは、古くは「はくつる」「ゆうづる」がモデルであったとも言われていましたが、やがて青森駅着のブルートレイン「あけぼの」を最後に「上野発の夜行列車」自体がついに消滅。
同じく歌詞にある、ひとり乗った「(青函)連絡船」も、青函トンネルの開通とともにとうに廃止となり、北海道新幹線が開通した今となっては本州から道内への玄関口ですら、青森駅から新青森駅へと役割が完全に移動しています。
昭和は遠くなりにけり。
さて、昔を懐かしがってばかりではいけません。令和における「北国ゆき」の新たな風物詩は、上野駅ではなく、東京駅の新幹線ホームにありました。
新函館北斗駅に向かう「はやぶさ」(手前)と、秋田駅に向かう「こまち」(奥)。
ふたつの対照的なカラーリングの新幹線が、途中まで連れ立って走り、やがてそれぞれの目的地へ向かうのです。その「連結」の瞬間を、東京駅で見ることができ、親に連れられた子鉄たちもたくさん訪れています。
残念ながらこの日は写真に収められなかったのですが、新幹線の先頭の「鼻」のような部分が、「パカッ」と開いてアーム同士で連結する仕組みで、何だか特撮ロボの合体みたいで、これまた少年心をくすぐるのかも。
そんなことを思いながら、今年も暮れようとしています。
それでは皆様、良いお年を。