街でおすもうさん(本来は力士、と呼ぶべきですが、あえて親しみやすさを込めて。)とすれ違うと、なんだか独特の甘い香りがします。
あれは髷に付けている通称「鬢付け油」によるもので、粘り気があり髪の毛がまとまりやすいということで、髪結いのときに使われるのだとか。
東京・江戸川区で昭和40年から続く島田商店さんが製造している「オーミすき油」。例えば舞妓さんのような日本髪とは違い、おすもうさんは常に普段から髷姿なので、いくつかある鬢付け油の種類の中でもこの「すき油」というのが使われているそうです。
パッケージに「純植物性」とあるように、天然の木蝋やヒマシ油、菜種油などを釜で熱して溶かし、冷やして固め・・・という感じで、職人の方が今もひとつひとつ手作りで生産を続けています。いろいろ調べると、あの香りの正体は「バニラ」を混ぜているからだとか。意外!
この「オーミすき油」、近年お土産に力を入れているオフィシャル界隈でも売っているところを見たことがなく、どこで買えるものか?と思っていたのですが、両国駅から少し離れたところにある、こちらの「両国髙はし」さんで取り扱っていらっしゃいました。
もとは大正元年創業の布団屋さんで、本場所で幕内力士が土俵の控えに入るとき座っているあの大きな名前入り座布団なども扱っていらっしゃるとか。一般のお客さんでもオーダーメイドで名前入りの座布団をつくってくれるらしいので、いつかはお願いしてみたいと思っていたり(そのときは自分の名前でなく、自分がもし力士だったらつけたい四股名にしようと思っている)。
というわけでこの日は、気分だけでもと「鬢付け油」だけ購入。
これに「国技館焼き鳥」とセットにすれば、味覚と嗅覚が加わって、テレビでの相撲観戦をさらにリアルに愉しめる・・・かも?
【大相撲「本物」が買える店。】
其の1 両国髙はし
「鬢付け油」のほか、とにかく相撲グッズが店内にぎっしり。個人的なイチオシは、醤油を入れるとおすもうさんのイラストが浮かび上がる仕様の「醤油皿」。最近流行りの現役力士の面白キャラグッズもいいのですが、昔ながらの相撲グッズを見るとやっぱりなんだかホッとします。