「知らなくても困らないけど、知っているとなんとなくうれしい」相撲部屋の「看板」について、素人調査を織り交ぜながら巡っております、相撲部屋「看板」紀行。
2つめに訪れた相撲部屋は、初回の出羽海部屋と同じ「出羽海一門」に所属し、同じ両国の地のご近所さんにあたる、「春日野部屋(かすがのべや)」です。
建物の雰囲気だけでいけば、出羽海部屋がエレガンスなら、春日野部屋はラグジュアリーという感じでしょうか・・・(あくまで印象論、個人的な見解ですが)品の良いお相撲さんが多い出羽海に対し、わりと激しく派手な相撲を得意とするお相撲さんが多い春日野という、両部屋のカラーも象徴されているように思われます。
遡ると大正時代に8代春日野の元横綱・栃木山が創設。建物自体の不動産情報を見ると築年月は「1990年8月」とありますが、その年の1月には9代春日野、元横綱・栃錦(今の両国国技館をなんと無借金で建設した「剛腕」としても有名な方です)が急逝し、10代春日野が跡を継いで間もない時期。看板は行司の故・木村正二郎(のちの26代式守伊之助)による書で、9代春日野の時代から受け継がれているものだそうです。書体も均整がとれ、非常に美しいですね。
相撲部屋「看板」紀行
其の2 春日野部屋
1925年に創設した8代春日野以来、9代春日野(元横綱・栃錦)、10代春日野(元横綱・栃ノ海)を経て、現師匠である11代春日野(元関脇・栃乃和歌)に至るまで、実に約100年、4代にわたり直系の弟子が継承し続けている点もすごい。ちなみに4階から上は分譲マンションになっています。