鎌倉駅から江ノ電(江ノ島電鉄)で数駅先、「極楽寺」駅という小さな駅があります。
開業は1904年(明治35年)で、写真の駅舎も昭和10年代の建築物ということで、かなり歴史の古い駅。隣の「長谷」や少し先の「鎌倉高校前」(スラダンのアニメでOPカットのイメージに使われたことから踏切が観光地化しています)などが観光客でにぎわうのに比べると、嘘のようにひっそりと静かな佇まいです。石畳から木造駅舎に続く動線も美しく、映画化もされた『海街diary』など数多くの作品の舞台にもなっています。
そんな極楽寺駅、まさに「乗り鉄が途中下車したくなる駅」のひとつなのですが、数年前、そんな昭和の名駅舎がついに「建て替え」になるとのウワサが・・・・!
ああ、あの極楽寺駅も、某駅のような無味乾燥な建物になってしまうのか・・・新駅舎完成後、そんな不安を抱えながら訪れてみると。。。。
あれ? 前と全然変わってなくない???
そう思って、ふと駅舎の横を見ると・・・
あ! 増築されてる!!
そう、老朽化した極楽寺駅が選んだのは、古い駅舎はモニュメントとして残し、その横に新しい建物を増築して「事務所」や「トイレ」だけ新築するというもの。これは本当に英断。しかも古い駅舎と並んでも違和感が少ないよう、増築された新駅舎も「木造」になっている細やかさ。
モニュメント・・・とは言いつつ、無人改札もそのままなので、利用客の感覚としては実質何も変わらないまま。電光掲示板が設置されるなど、一部アップデートはされていましたが、その情緒的な風景は維持されていました。
これって老朽化した駅舎とその対策としては、ひとつの「正解」を示した好例だと思うんですが・・・そのあたりどうなんでしょう。いろいろ、考えさせられます。
なによりもまずは、壊されないで本当に良かった!!!