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愛、深きゆえに。~相撲部屋「看板」紀行 其の8 錣山部屋

アバター画像2023.04.29 12:00

 昭和末期から平成初期にかけ、痩身ながら闘志あふれる相撲っぷりはもちろんのこと、ハンサムな顔立ちで女性ファンも熱狂させた人気力士、元関脇・寺尾。

 引退から約4年後の2006年12月、清澄白河の地に新しい相撲部屋「錣山部屋(しころやまべや)」を建設したのですが、建設したのは同じ江東区にある「岡松利彦建築設計事務所」。一級建築士の岡松さんは知人が熱狂的な寺尾のファンだったことから、彼が当時所属していた井筒部屋のイベントに参加するうちに寺尾夫妻と出逢い、部屋を独立するにあたり「何か役に立ちたい」と、自ら模型と図面をもって女将さんに直談判。メンテナンスなどアフターケアもしっかりサポートされているようで、女将さんはホームページでその出会いを「運命的」とも仰っています。

 エメラルドグリーンで塗装された格子状の玄関扉は、さすがデザイナーズ物件という感じ。

 木製の引き扉が採用されることの多い相撲部屋の中では、なかなかビジュアルインパクト満点です。

 さて本題。扉の中央に設置された「錣山部屋」の看板は「知り合いの住職に書いてもらったもの」(佐々木一郎著「稽古場物語」より)とありますが、その住職が誰なのか?までははっきりとわかりません。有力な後援者にもそれらしき人物は見当たらず、あえて名前は伏せられているのかも。なんと言ってもこの扉とのコントラストが、他に類を見ないエレガンスを醸し出しています。

 ちなみに扉には、6月に引退を控える元横綱・鶴竜の引退相撲ポスターが飾られていました。実は鶴竜の師匠であった先代の井筒親方(元関脇・逆鉾)は、親方の実の兄。鶴竜の現役時、兄の井筒親方が急逝した際は、弟である錣山親方が引き取るのでは・・・とも言われていたのですが、そこはいろいろ大人の事情もあって兄弟子の元大関・霧島が師匠を務める陸奥部屋に移籍したという経緯があります。そんな背景もあって、玄関の中央にしっかりとポスターが・・・と思い、近づいてみると。。。

 あれ? よく見たら、本人の「直筆」サイン入りじゃない!!!???

 こんな貴重な一枚が、こんなに無防備に貼られているとは・・・。逆に相撲ファンのマナーの良さ、近隣の治安の良さゆえなのか。意外な発見となりました。

相撲部屋「看板」紀行
其の8 錣山部屋(東京・清澄白河)
独立して間もない頃、師匠である20代錣山は、建物ができるまではアパートに部屋を借りて弟子2人と暮らしていたとか。弟子を四股名ではなく常に下の名前で呼ぶほど「アットホーム」で、その愛深きゆえか、弟子に自分の現役時代のニックネーム「アビ」をつけてしまったエピソードはあまりに有名。それが令和の人気力士、関脇・阿炎(あび)。

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日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

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