駅のサインは、できるだけお客さんに「全部伝える」のがベスト。
乗換路線も日本語以外の表記も、言い方は悪いですが、強迫観念のように詰め込む傾向があるので、それが大きな駅ともなると、逆にどこに何が書いてあるのかわからない・・・と道に迷う方も多いのではないでしょうか。
特に日本の鉄道ではそれが常識だと思っていましたが、最近そんな風潮に変化の兆しが??
リニューアルしてから初めて訪れた、東京メトロ銀座線「上野」駅の構内で発見したのが、こちら・・・。
この階段が「2番線」で、「G19」つまり銀座線の浅草駅方面である・・・それだけを示すとってもシンプルで、なによりオレンジ×黒×白で視認性も高めた「スタイリッシュ」なデザイン!
ここまで「攻め」の姿勢を見せているのは、少なくとも首都圏の鉄道では珍しいのではないでしょうか・・・。もともと数字とアルファベットで駅名と路線名を示すサインは欧米の地下鉄などが元祖で、21世紀に入ってグローバル化が叫ばれる中、外国人にも分かりやすいようにと日本でも導入された経緯があります。その「分かりやすく」が日本の鉄道事情の中で半ば形骸化している中、あえて「引き算」することで「どんな人にも、分かりやすく」という本来の役割を取り戻しているようです。
さすがに「浅草方面」ぐらいはないと日本語圏の人間には逆にハードルが高いかもですが、とはいえこの「攻め」の姿勢は評価されてしかるべきでは。特に、外国からの観光客が多いエリアでは有効かもしれません。
伝統的な古い建物をぶっ壊す前に、できることはいっぱいある。
そんなことを、この駅サインは教えてくれているのでは?・・・なんて思ったり。