今日はいよいよ、大相撲夏場所初日。1月以来の東京開催、両国国技館に本場所が帰ってきました。生憎の雨模様で五月晴れとはいかぬとも、国技館の周りは色鮮やかな「幟(のぼり)」がはためいています(※ちなみに写真は数日前に撮影したものです)。
さて、この「幟」。まだ現在の大相撲が確立される前、江戸時代の興行時から続く伝統で、主に御贔屓筋から贈られたものを掲げています。ひとつひとつ、職人が文字や絵を描き、色染めをしている「手仕事品」。そしてデザインは何でも良いというわけではなく、意外と?ものすごく厳密なルール(というか慣例事)が決められています。
例えば「色」。
黒は「黒星を連想させる」、赤は「贈り主の会社に赤字をもたらす」、茶色は「白熱した相撲に茶々を入れる」・・・など、ネガティブイメージを連想させる色は避けられる傾向にあります。
とはいえ、赤はスポンサーの部分のみ、茶色は熨斗の部分のみ、という感じでパートごとの「禁じ手」になっているので、すべてにおいて適用されるわけではないようです。たくさん並んでいると一見、汎用的な感じにも見えますが、配色ひとつとっても、なかなかこだわりが感じられるのです。
他にも「四股名は力士の成績が右肩上がりになるように、やや右上がりに書く」「下書き時にも、お客さんがたくさん入るように升目いっぱいに書く」など、さまざまな「こだわり」が込められているようで、調べるほどになかなか奥深い世界ではあります。
さて、そんな幟の中で、【羽】の今場所のお目当てはこちらの力士。
令和の怪物、落合。
史上初、入門からわずか「1場所」で関取昇進を果たしたスーパールーキー。新十両の春場所では、あの元大関朝乃山をも苦戦させるほどの実力を発揮、髷どころか長髪ですらないその姿は、かつて平成の怪物と言われた元大関武双山になぞらえ、「令和の怪物」とも言われております。
その落合。皆様お気づきの通り、まだ「本名」で相撲をとっており、いつ「四股名」がつけられるか?それも好角家(相撲ファン)の中では話題のひとつ。SNSなどでも予想合戦が飛び交っており、その中でも個人的には師匠である元横綱・白鵬と、伯耆国(鳥取県)出身であることから、「伯鵬(読み方もそのまま、はくほう)」が最有力ではないかと思っています。
親方も「みんな、びっくりする案を考えている」と公言しているので、読み方を「はくほう」で揃える・・・なんてことは考えそうだなと。あるいはまさかの「2代目白鵬」もあり得るかも・・・!?
最近でも遠藤や正代など出世後も本名で通している前例はあるものの、彼が「落合」である期間はそう長くはないのではないのが予想されます。そうなるとこの「落合」の幟ももしかすると今場所で見納めかも・・・? と、思わず写真を撮らずにはいられなかった、五月場所の両国。
さあ、いろいろ話題に事欠かぬ今場所はどうなることやら、愉しみです。