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黄金と老竹。~相撲部屋「看板」紀行 其の12 宮城野部屋

アバター画像2023.05.17 12:00

 大相撲の数々の歴史を塗り替えてきた、大横綱・白鵬。

 先日、華々しい断髪式も終え、改めて13代宮城野親方として新たな相撲人生を歩み始めています。現在は師匠だった12代宮城野、元前頭・竹葉山の跡を継ぎ、宮城野部屋の師匠として後進の指導にあたっていますが、かつては「銀座の一等地に、ガラス張りの相撲部屋をつくりたい」と話していた、というエピソードも伝わっているので、もしかすると今の建物にいる時間もそこまで長くはないかもしれません。

 というのも、この建物は実は、史上初の外国人優勝力士として、のちの外国人力士隆盛時代の礎を築いた人気力士、元関脇・高見山の渡辺大五郎(帰化されたので日本名に改名)さんが所有しているもの。かつて彼が興した東関部屋があった土地で、部屋の閉鎖後、宮城野部屋が昨年8月に移転してきたばかり、という経緯があります。

 部屋の看板は移転前からずっとあったもの(先代宮城野によると「部屋が移転する40年以上前からあった」とのこと)を、白鵬がまだ現役時代の2016年に部屋の後援者が約200万円かけて「防水加工」そして「金箔」を施してリニューアルしたもの。

 老朽化が理由とのことですが、なぜあえて金箔を施したのか・・・個人的にはいろいろ思うところはあるものの、今の姿を見るに、経年変化が少しずつ味を出しているようにも見え、これはこれで新しいかたちなのか。。。

 さて、その金箔の看板が目を惹く宮城野部屋ですが、実はその横にひっそりと掛けられている、古びた(おそらく)竹製の看板のほうが、興味深かったりします。

 近くで見ると、竹を文字の形にくりぬいて、その後ではめ込んだような細工が施されています。いつ、だれが、どのようにこの看板をつくったのか、データは全く見つからないのですが、色褪せた感じから見てもある程度古い時期のものかと推察されます。なかなかに味わい深い。

 ひとつの部屋にふたつ居並ぶ、金色の看板と老竹の看板。

 やがて来るであろう、移転後にどうなるか・・・できればともに残り続けることを願ってやみません。

相撲部屋「看板」紀行
其の12 宮城野部屋(東京・本所吾妻橋)
元横綱・吉葉山の8代宮城野が両国の地に創設。その後、9代宮城野(元小結・廣川)が1980年に墨田区緑に移転。いろいろあって、師匠交替など目まぐるしい変遷を経たのち、耐震問題もあり2016年に12代宮城野が墨田区八広に移転。その後2022年現在の場所に。インターホンには今も建物の所有者である「渡辺大五郎」の名前が。

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日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

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