昭和生まれなのに、実は平成生まれだった。
人の話ではなく、鉄道の話です。
特急「りょうもう」号。
東京の「浅草」駅と群馬の「赤城」駅の間を結ぶ、東武鉄道の特急列車。東武スカイツリーライン、伊勢崎線、桐生線と計4都県を股にかける老舗特急です。
なんといっても、このレトロなフォルムとカラーリング。
車両は「東武200系」と呼ばれるもので、流行りの流線形ではなく、直線ベースのデザインがなんとも昭和っぽい。そしてシンボルカラーとされるローズレッドのラインが映える、ジャスミンホワイトのボディが国鉄時代のクリーム色を思わせ、これまたなんとも昭和レトロな趣。
というわけで、てっきり昭和時代に製造された車両だと思っていたのですが、調べてみるとデビューは1990年、つまり平成2年生まれ。ギリギリ、平成生まれでした。こんなにも昭和っぽいのに!
でもよくよく思い返してみれば、平成初期は「昭和の延長戦」みたいな空気が残っており、世間にいわゆる昭和感が抜けてきたのは2000年代に入ってからだったような。
時代の狭間に生まれた平成2年生まれの特急。まだまだ元気に、現役です。