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セルリアンブルーに煌めいて。~相撲部屋「看板」紀行 其の13 鳴戸部屋

アバター画像2023.05.21 12:00

 自ら朱で手形を入れ、毛筆でサイン色紙を書くのも、人気力士ならではの務め。

 しかし最近は日本人でも書道経験が少ない人も増えている中、まして異国の地から来た外国人力士ならばその苦労はそれ以上ではないでしょうか。

 今から約20年ほど前、2002年に故郷ブルガリアから単身来日。相撲界の門をたたき、新弟子時代はお米が食べられずヨーグルトやチーズをかけて食べていたという逸話が残るなど文化の壁にぶつかりながらも、その長身と恵まれた体躯、なにより生来のまじめで努力家な気質もあり「大関」の地位にまで上り詰めた、平成時代を代表する人気力士、琴欧洲(ことおうしゅう)。

 そういえば当時は世相もあり「角界のベッカム」なんて呼ばれたことも。現役晩年、日本国籍を取得し本名「安藤カロヤン」さんとなった彼は、引退から2年後の2017年に佐渡ヶ嶽部屋から分家独立し、新たに「鳴戸部屋」を創設。仮住まいを経て、2019年、晴れて今の場所に居を構えました。

 東京スカイツリーから歩いてすぐ、隅田川のほとりに佇む真新しい相撲部屋には、あざやかなセルリアンブルーで描かれた「鳴戸部屋」の看板が。

 これを揮毫したのは、書道家の澤江抱石氏。彼と鳴戸親方の出逢いは現役引退間もない2016年。ブルガリアの友好団体「ソフィアファミリー」が、留学生に書道体験をしてもらう際に澤江氏が指導したことをきっかけに、同団体を通してさまざまな活動をしていた鳴戸親方と出逢うことになり、澤江氏の指導のもと鳴戸親方が書道に挑戦。その書は翌年1月、国立新美術館に出展され、親方の意外な才能が注目されたことがありました。

 そんな縁もあってか、部屋の独立にあたって看板を澤江氏に依頼。

 アーティスティックな看板は、なかなか攻めている感じもしますが、部屋の佇まいと周囲の雰囲気にはうまく馴染んでいる気が。伝統の良い部分を受け継ぎながら、今の時代に合った指導方法を実直に追い求める親方の手腕は好角家からも高く評価されており、そんな親方の相撲道がこの看板にも良く象徴されているのではないかなと、思ったりします。

 昨年は部屋初の関取、欧勝馬も誕生。

 東京スカイツリーを背に、鳴戸部屋はますます、活気に満ちています。

相撲部屋「看板」紀行
其の13 鳴戸部屋(東京・浅草

師匠は前述のとおり15代鳴戸。現役時代はその土俵所作の美しさでも評価が高かった(世はまさに朝青龍時代・・・ということもあり、なにかと比較されたことも)。ちなみに「鳴戸部屋」と言えば、あの大関・稀勢の里を育てた名伯楽、13代鳴戸(元横綱・隆の里)の部屋として有名だったが、急逝後にいろいろ騒動もあり旧鳴戸部屋の系譜としては田子ノ浦部屋の名称で残っている。

 

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日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

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