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マルちゃん、奮戦す。~相撲部屋「看板」紀行 其の17 武蔵川部屋

アバター画像2023.06.09 12:00

 第67代横綱・武蔵丸。

 平成大相撲の主役が貴乃花から朝青龍へと世代交代してゆくその過渡期、曙に続く2人目の外国人横綱として土俵の充実を支えた陰の立役者。天下の横綱に対して「陰」という表現は相応しくないかもしれませんが、あえて。というのも、現役時代は若貴という「陽」の存在に対するライバル的存在としてメディアで取り上げられ、引退後も優勝12回を誇る元横綱でありながら協会内の出世コースからはなぜか縁遠いという不遇の状況。部屋を創設できたのも引退から実に10年が経過しており、ニュースでその一報を聞いたときは、「よかった・・・マルちゃん(武蔵丸関の愛称)!」と勝手に凱歌をあげたものです。。。

 現在「Number Web」で連載している「武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲」では、「えっ、相撲協会の一員なのに、ここまで言って大丈夫???」と心配になるぐらい、歯に衣着せぬ、でも相撲愛に満ちた親方の超・辛口批評が堪能できますので、そちらもぜひ。いや、ほんとに在野でも今ここまでちゃんと物申してくれる識者が何人いることやら。個人的にはNHK大相撲中継の専属解説者として、ご高齢の北の富士親方の後任にはぜひ武蔵川親方を推したい!(もちろん、まだまだ北の富士さんに現役でお願いしたいのですが。体調のご回復を切にお祈りしております・・)

 そんな親方が師匠を務める「武蔵川部屋(むさしがわべや)」は、新小岩駅から歩いて15分ほど、葛飾区から江戸川区にわたったすぐの場所にあります。ここはかつて旧中村部屋(師匠は元関脇・富士櫻の10代中村)があった建物で、部屋の閉鎖後まもなくの2013年4月に15代武蔵川が借り受けるかたちで使用しています。

 さて、武蔵川部屋の看板ですが、その筆致は実にダイナミックで、いわゆる伝統的な毛筆書体というよりはグラフィックデザインのような自由さ、躍動感があります。それもそのはず、揮毫したのは書家ではなく、アーティストの左右田薫氏。90年代後半からワールドワイドに活躍する氏は、安室奈美恵やMAN WITH A MISSIONらのアートワークも手掛けており、親方自身が独立時に制作を依頼したとのことです。「武」の字の「点」や、「川」の字の「はらい」など、力強さの中にもどこか洗練された美しさがあり、ハワイ出身でありながら「日本人よりも日本人らしい」とも言われる親方の相撲道を象徴しているかのようです。

 文字もしっかりと立体的な表現が施されており、重厚感を感じさせます。当ブログの其の10でご紹介した「片男波部屋」と並び、近年の相撲部屋の看板としては傑出の存在と言えるのではないでしょうか。

 部屋の創設から今年で丸10年の節目を迎え、親方自身も52歳となり停年まであと十余年。一日も早く、待望の関取が誕生することを祈願してやみません。がんばれ、マルちゃん!!

 ちなみに横綱・武蔵丸の真の強さを象徴するエピソードとして有名なのが、高校時代にアメフトで首を痛めて以降、実は入門してからずっと左肩にほとんど力が入らない状態で相撲を取り続けていた、というもの。それで横綱になるのだから、もし万全だったらどれほどの強さだったことだろうか。師匠である先代武蔵川にも引退まで秘密にしていたというから、その精神力の強さも凄すぎる・・・。「もっと稽古しろ!」という辛口批評に、誰よりも説得力が出るわけです。

相撲部屋「看板」紀行
其の17 武蔵川部屋(東京・新小岩)
2003年に現役を引退後、自身が育った旧・武蔵川部屋(2010年以降は弟弟子の元大関・武双山が継承し藤島部屋に)の部屋付き親方をしていた15代武蔵川が創設。即戦力として学生相撲の強豪を集める部屋も多い中、未経験の弟子を多く受け入れイチから育てるなど、ある意味で相撲部屋の本来あるべき姿を体現しているとも言えるのでは。本当に早く報われてほしいと、切に願う。。

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日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

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