近年、続々と新型車両が投入されてきた東京の地下鉄。
そんな中で実に22年もの間、新型車両の投入がなかった「都営三田線」に待望のニューフェイスが登場したのは、昨年5月のこと。
あれから1年が経過し、このフラットなブラックフェイスもだいぶ見慣れてきました。
今回投入された都営三田線6500形のフラットフェイスは、流線形デザインが多い東京の地下鉄車両の中では、なかなかに異質な存在。類似の車両としては、2015年から山手線で運行されているE235系が代表的ですが、そちらに比べてもさらにフラットな印象で、車両自体ももはや「箱」と言えるぐらいカクカクしています。そんな直線的なデザインに、ブラック×ブルーのコントラストカラーが映え、実にモダンな雰囲気。「都営地下鉄とは思えないお洒落さ」と、界隈では褒めてるんだか貶してるんだかわからない評価も聞こえますが苦笑、今回の開発には車両局以外の部署も積極的に関わったそうで、斬新なアイデアが取り入れやすい環境が整っていたことも、ひとつかもしれません。
そして外観の「箱」っぽさに加え、個人的には車内に導入された深みのある「藍色」がお気に入り。特に乗車した瞬間、目の前にあらわれる扉一面に採用された藍色の落ち着いた雰囲気は、乗客たちの通勤時のストレスをいくらか軽減するのに効果を発揮しているんではないか、とも思っています。
ステンレス車両がもつ無味乾燥、つまりデザインとしての「温度の低さ」は、なんとなく日々の電車通勤のストレスにも繋がっているのではと常日頃感じていたので、こういうリュクスな内装をもつ通勤電車が増えてくれるのは個人的にも歓迎したいところ。とかく古い車両に愛着しがちなノスタルジー鉄の自分でもそう感じるので、きっとみんなそう感じているんじゃないかなあ、と思ったり。こういう「刷新」はどんどん歓迎していきたいところです。