鉄道開業150年だった昨年の末、山手線では開業当時の1号機関車をイメージした限定カラーリング、通称「黒い山手線」が運行し、鉄分少なめな方でも足を止めるインパクトがありました。期間限定ということでぜひブログでも紹介したかったのですが、残念ながら遭遇することができないまま年を越してしまい、誠に無念・・・。
このように鉄道会社ではたびたび昔のカラーリングを今の車両にラッピングするかたちで復刻しているケースは多々あります。ただ往々にして「黒い山手線」のように期間限定であることが多く、ノスタルジックな雰囲気からすぐに現実へと引き戻されてしまいがち。
そんな風潮の中でも、池上線・東急多摩川線で「復刻」された紺と黄色のツートンカラー、通称「きになる電車」は2016年からわりと息が長く、運行されております。
沿線は何度も利用していますが、編成本数はそんなに多くないため、ホームに入線した姿を見るとちょっとラッキーな気分になります。オリジナルは主に1950~1960年代にかけて、十数年ほど塗装されていただけのレアカラーなため、往時を知る人もそこまで多くないかもしれませんが、そんな稀少カラーが長期間「復刻」され続けているのはなんといっても絶妙なカラーバランスゆえでしょう。シンプルですが非常に洗練された印象で、懐かしくもあり、どこか上品さもあり。
池上線・東急多摩川線では、さらにこのカラーリングのひとつ前の世代にあたるダークグリーン一色の復刻車両、通称「緑の電車」も2019年から運行が開始され、2つの復刻カラーが常時運行するというレアケースが誕生しています。
限定ゆえのレア感を演出するのはもちろん戦略的に有効・・・とは思いつつ、「いつでも乗れる」日常も一緒に復刻してくれた東急さんのやさしさにちょっとだけ、ホロリ。