その昔、新幹線や特急には紙コップで飲む「列車用冷水器」が設置されていて、駅弁と一緒に買うのは中にティーパックが入った「ポリ茶瓶」だった――。昭和に少年時代を過ごした人はきっと記憶に残っているだろう、鉄道にまつわる「飲み物」たち。さて、そんな中でも、懐かしい!と思う人と、それは知らなかった!という人で分かれるのではないかというのが、こちら・・・。
瓶の飲料についている「王冠」を開けるための、固定式センヌキ。
写真はそのレプリカ版シールセット(鉄道グッズというのは本当に奥が深いのです…約400円。)なのですが、昭和20年代ごろに乗客が窓枠などでむりやり瓶をこじ開けようとして破損事故が相次いだ(なんて「当時っぽい」エピソードでしょう)ために、国鉄が「それなら座席に直接センヌキをつけてしまえ!」と設置したもの。当時としては最先端の設備だったそうで、今でいう、スマホ充電用のコンセントが設置された、みたいな話かもしれません。
やがて時代の流れとともに、衰退。昭和の終わりにはほとんど見かける機会はなくなっていたのではと思います(もしかしたら古い車両によっては見かけることもあるかもですが)。
自分ももはや、記憶が定かではなく、見たことがあるようなないようなレベル・・・なのですが、この「カドをひつかけて」「ビンを上にこじる」という表現がなんともオツではないですか!
数十年後には「座席にコンセントだなんて、レトロ!」などと言われる時代が来るかもですね。