大相撲の長い歴史の中でも、未だかつて実現しなかった「三人同時大関昇進」なるか。
そんな話題でもちきりな、令和五年大相撲名古屋場所がいよいよ今日から始まります。
大関昇進の条件、というかあくまで通説で目安とされているのは、三役(小結・関脇)以上での直近3場所で合計33勝以上。過去にはそれ以下で昇進した例も、それ以上で昇進を逃した例もあるので、あくまで総合的な判断で決まるのですが、今場所その「資格」を得ているのが、直近2場所で22勝の大栄翔、同じく21勝の豊昇龍、若元春の3人です。この「資格者3人」というのは過去2回例があったのですが、いずれも「三者同時昇進」は実現しておらず、今回実現すればまさに史上初、というわけです。
というわけで、折角なのでこのブログでも少しだけ触れてみようかと。
まず最初は、あの横綱・朝青龍の甥っ子でもある、関脇・豊昇龍(ほうしょうりゅう)関です。
モンゴル出身の24歳。3人の中では最も若く、また偉大な叔父さんのDNAを受け継ぐということで、早くから末は大関・横綱かと期待を集めていた力士。むしろ、今場所の新大関、同じモンゴル出身の霧馬山改め霧島よりも先に昇進するのではと言われていたので、満を持して!という感があります。
叔父さんは何かと土俵内外で話題をふりまいていた「やんちゃ力士」の代表格でしたが、甥っ子はそれと比べるとやや大人しめな印象。もちろん彼もたまにやんちゃな顔をのぞかせることはありますが、朝青龍の野生児感に対して、豊昇龍はどちらかというとシティボーイというイメージ(あくまで個人の感想ですが)。とはいえ、相撲っぷりは足腰の強さを生かした叔父さんゆずりの万能型です。その姿は、若き日の千代の富士も彷彿とさせ、そういった意味でも「横綱の遺伝子」が色濃い力士かも。
今、大相撲では「25歳以下」の世代が下から次々と台頭してきており、その先頭を走っているのが彼。叔父さんのように、ここから一気に大関→横綱へと飛躍していくか。これからがとても楽しみな若手力士の筆頭格の「大関取り」に注目です。