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まるで「美術館」のように。~相撲部屋「看板」紀行 其の19 木瀬部屋

アバター画像2023.07.15 12:00

 稀代の業師・宇良、奇跡の幕尻優勝を遂げたベテラン・徳勝龍、カザフスタン出身の注目若手力士・金峰山・・・他にも数多くの関取経験者を抱え、かつ現師匠が約20年間で育てた関取は17名にものぼる、まさに「令和角界・虎の穴」ともいえる、出羽ノ海一門の「木瀬部屋(きせべや)」。ちなみに木瀬とは略称であり、正式は「木村瀬平(きむらせへい)」と呼ばれます。

 さてそんな木瀬部屋の看板は、かの比叡山延暦寺で千日回峰行を2回満行(千年の歴史で過去3人とも。さらに2回目は最高齢の60歳で達成!)した天台宗の名僧である、故・酒井雄哉(さかい ゆうさい)氏による書で、「日本で一番修業した人」に、と考えた11代木村瀬平(元前頭・肥後ノ海)の意向によるものだとか(佐々木一郎氏『稽古場物語』より)。どこか静謐な、品のある佇まいの書体が非常に印象的。板材の大きさに対し、相撲部屋の看板としてはやや文字も小さめ、かつ酒井氏の記名もはっきりと記してあるなど、そのあたりのバランスを見るに、どことなく看板というより「書」という雰囲気を放っています。

 と、来訪してみて気づいたのですが、ガラスケースでがっつり保護されているので、なかなかにカメラマン泣かせ(苦笑)。【羽】の力量不足もあり、どうしても背景が写り込んでしまう結果に。とはいえ、高名な方の作品でもあるので、こうした保護対策は必要不可欠なのかもしれません。なんとなく、美術館の展示品を見るかのようです。

 ちなみに木瀬部屋の建物は師匠のこだわりに満ちていることで有名で、稽古場は「冷暖房完備」、土俵に撒く水は殺菌効果のある「酸性水」など、福利厚生はバツグンの環境。

 そんなところも、多くの関取を輩出し続ける秘訣かもしれませんね。

相撲部屋「看板」紀行
其の19 木瀬部屋(東京・両国)

2003年12月、引退後間もない11代木村瀬平が、所属していた三保ヶ関部屋から分家独立して創設。師匠自身、日本大学相撲部で主将も務めた元学生横綱出身ということもあり、学生相撲を経て入門する力士が非常に多い部屋でもある。不祥事による閉鎖から見事復活、部屋創設から20年の節目を迎える。

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日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

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