カテゴリー

- blog


タグ

- fashion

- blog

  • インスタボタン
  • Twitterボタン

師匠自ら、筆を執り。~相撲部屋「看板」紀行 其の21 西岩部屋

アバター画像2023.07.23 12:00

 平成から令和にかけ、相撲界には多くの大関が誕生してきましたが、彼らと比べてもその実力は遜色ない、「最強の大関候補」と言えるのが、平成中後期に活躍した元関脇・若の里。

 横綱・貴乃花に憧れ15歳で上京した若の里は、まさに「中卒たたき上げ」力士の象徴でもありました。同郷(青森)出身の師匠である名伯楽、先代鳴戸親方(元横綱・隆の里)の薫陶を受け、その怪力ぶりと実直な相撲道に魅せられたファンは多く、【羽】としてもその勝敗に毎回一喜一憂した贔屓力士のひとりでした。ちなみに横綱・稀勢の里(現・二所ノ関親方)の兄弟子でもあります。

 2015年の引退後に12代西岩を襲名、それから3年後の2018年2月に独立を果たし「西岩部屋(にしいわべや)」を創設。同年4月には浅草に親方の自宅も兼ねた5階建ての建物が完成、関取輩出を目指し弟子の育成に励んでいます。

 さて、そんな西岩部屋の看板ですが、現存する数多くの相撲部屋の中でも「唯一」の特徴があります。それはなんと、文字を揮毫しているのが「親方本人」であること!

 これは驚きました。なんと達筆な! お相撲さんは毛筆でサインすることもあり、若手時代からみんな相撲教習所で「書道」を習うのですが、さすがにここまで本格的に書ける力士はそう多くはないでしょう。さらに看板に使われている木材も、樹齢100年の青森ヒバをさらに20年乾燥させたというこだわりっぷり(ちなみに稽古場のテッポウ柱も同じ木材とのこと)。

 特にこの「西」や「岩」の文字に見られる、流れるような美しい筆致。文字のバランスも均整がとれており、親方本人の手によるものだと知らずに訪れた際にはすっかり、「これも誰か縁のある書家に依頼したケースだろうか・・・」と思っていました。それぐらい見事な作品!

 そういえば先代鳴戸も達筆で知られた力士。師匠のDNAがこのようなかたちでも受け継がれているのだと感じられるエピソードですね。

相撲部屋「看板」紀行
其の21 西岩部屋(東京・浅草)

稽古場には前述の青森ヒバのみならず、できるだけ本場所に近い土俵で稽古させてやりたいとの師匠の想いから国技館と同じ「荒木田」が使われている。ちなみに12代西岩は絵も上手い。イラストを描くのが趣味で、小学校の頃はコンクールで入賞したこともあるのだとか。まさに文武両道。

アバター画像

日々徒然に、書いていけたらと思います。

好きなものは鉄道(乗り鉄)と大相撲、ときどき料理です。
宜しければリュクスな立ち話の寄り道にぜひ。

関連カテゴリ記事

カテゴリー

- blog


タグ

- fashion

- blog