秋の行楽シーズン真っ只中、そして年末年始まであと3カ月ほど・・・そんな時期には、長旅でもたっぷり荷物を収納できる旅行鞄がマストですよね。
さて、大相撲秋場所が終わり、主に幕内の力士たちもこれから「秋巡業」で全国を回ることになります。では、おすもうさんはどんな旅行鞄で出かけるのでしょうか。
正解はこちらの「明荷(あけに)」と呼ばれるビッグサイズの竹籠。
つくりとしては、竹を割った板材をベースに、上から頑丈な和紙や漆でガチガチに固めたもので、十両以上の力士が持つことを許されています。写真にあるようにサイドに正方形で3マス分四股名を入れるのが基本デザインで、四股名が1文字や2文字の力士は空白を開けて、逆に4文字以上の力士はマスの下に小さくもう1文字追加したり、あるいは1マスに2文字無理やり入れたりする例も。巡業だけでなく本場所にも持っていく「鞄」なので、中身としては廻しや浴衣、あるいはテーピング類など、相撲に関わる道具一式が入っています。
そしてこの「明荷」、関取本人が持ち運ぶわけではなく、付け人たちが片肩に負って持ち運ぶのが通例。明荷を背負う付け人を従えて、颯爽と歩く関取の姿はまさに「粋」そのものです。
相撲ファンなら誰しも一度は自分の名入り(上級者であればさらに自分が考えたオリジナル四股名の)明荷をつくってみたいという憧れを抱いたことがるとかないとかですが、もちろん本物は高価な特注品(のはず)なのでおいそれと手を出せるものではなく・・・というわけで今回写真に撮っているのも、手のひらサイズの「小物入れ」。
ああ、でもいつか宝くじでも当たったら、つくってみようかな(笑)。