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秋素材、「SONANO?」な5つの立ち話。~ニット編

アバター画像2022.09.06 12:30

 秋になると活躍の場が増える「ニットウエア」。同じように見えても、素材や生地感、編み方で着心地にもはっきりと差が出る、意外と奥深い世界です。今回は思わず「そなの?」とつぶやいてしまう、ニットにまつわる素材のハナシをご紹介します。

「良いニットがチクチクしないのはなぜ?」

JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)のカシミヤ混エクストラファインメリノウールニット

答え→肌に触れる繊維が細いため。

 いわゆる「良いニット」には、高級なメリノウールやカシミヤといった素材が使われていますよね。これらは繊維が非常に「細い」ため、肌に触れてもチクチクとしたかゆみを感じにくくなっているのです。ちなみに人間の髪の毛が40~50ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)なのに対し、メリノウールは18~19ミクロン、カシミヤは14~16ミクロン。ちなみにメリノウールが採取できるメリノ種の羊は、繊細な毛質ながら白い毛色が染色しやすいことから、ニットウエアによく用いられています。

「メリノウールが暖かいのはなぜ?」

JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)のメリノウールニットカーディガン

答え→縮れ毛で空気が溜まりやすいから。

 もともとウール(羊毛)の繊維の表面は、例えるなら「鱗(ウロコ)」のようになっていて、それによって暖かい空気を逃がしにくいと言われています。逃げずに溜まった空気はやがて人の体温で温まり、その温もりがまた人を温める・・・という循環が、ウールのニットの暖かさの正体。その中でも「メリノウール」は、前述の通り他のウールに比べて毛質が「細く」、さらに「縮れ」も強いため、編むと密閉性が高まり、暖かい空気をより溜まりやすくしているのです。

「カシミヤのニットが高価なのはなぜ?」

ETRO(エトロ)のカシミヤ100%ジャケット
Guercilena 1944(グエルチレーナ)のカシミヤ100%ニット

答え→春の時期にのみ、わずかしか採集できないため。

 カシミヤとはヤギの一種で、寒暖の厳しい環境下に生息する動物。その毛は上品な光沢感に加え、羊(ウール)より毛の繊維が細いため軽量で、かつ暖かく、高級素材として様々なファッションアイテムにも重宝されています。しかし、春の毛の生え変わり時にしか集められない手間と、1頭あたり150~250g程度しか採集できないため、(同じく世界での流通量が少ない)アルパカと並び、稀少価値が高いとされているのです。

「カシミヤの生地がなめらかなのはなぜ?」

Cruciani(クルチアーニ)のカシミヤ100%ニット

答え→「油脂」で覆われているから。

 実はカシミヤは「油脂」が繊維を覆うことで、独特のなめらかさを生んでいると言われています。そのため、油分の少ないメリノウールが「さらり」としたなめらかさなのに対し、カシミヤは「しっとり」としたなめらかさを感じられるのです。
 また、カシミヤは吸湿性の良い素材なので、湿気の吸収や発散を繰り返すことで自然と元の姿に戻ろうとする性質が。そのため着用後に軽くブラッシングし、2~3日休ませることで美しい状態をより長くキープできます。毛羽立ちや毛玉を防ぐため、馬毛または柔らかめの豚毛など、毛先が細く弾力のある天然素材のブラシがお薦め。衣替え時は必ずクリーニングを行ったのち、風通しのよいところでしばらく休ませたのち、衣類の上部に防虫剤を置いて保管をするのが良いでしょう。

「ニットの『○○ゲージ』って何のこと?」

ローゲージ
ハイゲージ

答え→編むときに刺した「針の本数」。

 ゲージ(G)とは「生地を編むとき、1インチ(約2.54㎝)の中に針を何本刺しているか?」という単位。つまり10ゲージなら、編み針が10本刺さっているということになります。
 そのため、ざっくりと編んだ5ゲージ以下はローゲージ、しっかりと編んだ12ゲージ以上はハイゲージ、その中間がミドルゲージ、と一般的に言われています。
 ローゲージのニットは網目が粗いので特に通気性と伸縮性にすぐれており、一方ハイゲージのニットは網目が細かいのでさらりとなめらかな着心地を楽しむことができるのです。

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