カジュアルでスポーティな印象も強い冬の定番「ダウン」ウエア。今回SONANO編集部では、そんなダウンをもっとリュクスに、洗練された着こなしで愉しむための秘訣を、ファッションのプロ、現役のスタイリストさんに訊いてみました。そこで分かった「新・三種の神器」とは？
ハイゲージの「タートルネックニット」は万能！
縦の「I」ラインを黒で統一するとより◎。
ダウンをリュクスに着こなすことを考えたとき、まず注意しなくてはいけないのは「カジュアルすぎるアイテムとは合わせない」こと。例えばクルーネックのスウェットやパーカはダウンとの相性もけして悪くないですが、カジュアルでスポーティな要素が強くなりすぎてしまいます。
そうなると、合わせるインナーの選択肢としては、季節を考えても「ニット」がベストな選択肢。そして、クルーネックやVネック、モックネックなど様々なタイプがある中で、プロが「どんなダウンにも合う」と絶賛する万能アイテムが、「ハイゲージのタートルネックニット」。
「ダウンアウターに合わせるインナーとしては、タートルネックのニットが最強です。白や黒のモノトーン系はもちろん、よりこなれて見せるならトレンドカラーの深緑系もお薦め。その中でも特にリュクスに魅せられるのが、黒のハイゲージです。インナーからパンツ、靴に連なる縦のラインを黒で統一すれば、定番のカラーはもちろんのこと、オレンジやイエロー、グリーンと言った派手めな色のダウンでもスタイリッシュに着こなすことができます。まさに必携アイテムです！」
「厚底の短靴」で、見慣れたダウンも今っぽく！
細身パンツと合わせ、シルエットに変化を。
ダウンジャケットは、ダウンパックと呼ばれる袋に羽毛を詰めて表地と裏地の間に挟み込む「パックイン」タイプと、ダウンパックを用いずに生地に直接羽毛を詰める「ノンパック」タイプ、大きく分けてこの２つに分類されます。
ステッチが要らないためデザインの制約が少なく、最近は「ノンパック」タイプのダウンが勢力を拡大中。そんな中で、昔ながらの「ダウンパック」タイプでも時代遅れ感なく、リュクスに演出してくれるのが、今季注目度が急上昇している「厚底の短靴」。
「今っぽく着こなすなら、特にパック系のダウンは１サイズアップを。ジャストサイズよりも少しゆとりがある方がこなれた印象になります。そのうえでパンツは必ず細身のものを選びましょう。例えば、渡り幅をゆったりめにとった、ツータックのテーパードスラックスなどがお薦めですね。そして最後に変化の鍵となるのが、トレンドアイテムでもある厚底の短靴。きれいめなのにボリューム感がある、そのコントラストにより定番ダウンのコーデに新風を吹き込んでくれます」
「ワイドパンツ」でダウンコートをピッティ風に。
ポイントになるのは、「見える面積」。
上の解説の通り、ダウンアウターに合わせるボトムスは細身がお薦め。しかし、パンツのトレンドはどちらかと言えば「ゆったりめ」なシルエットに注目が集まっています。さらにリュクスに、洗練されたダウンコーデを愉しむのであれば、1ランク上の「ワイドパンツ」は避けては通れません。
しかし、ボリューミィなダウンウエアに太めのパンツを合わせるのは、さすがに少しハードルが高めです。さて、ワイドパンツ初心者でも、こなれて見える「ダウン×ワイドパンツ」の着こなし方は？
「細身のパンツではなく、今っぽいワイドパンツをダウンと合わせるのであれば、ロング丈のダウンコートがお薦めです。太めのパンツシルエットが見える面積を少し狭めることで、ビギナーでも比較的取り入れやすくなります。そしてこの着こなし、実はあのピッティ・ウオモでもよく見られるスタイリング。足元はスニーカーなどカジュアルに崩すのでもひとつですが、リュクスな着こなしという観点なら、スエード素材のショートブーツできれいめにまとめ上げるのが良いのではないでしょうか」
