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語り継ぎたい「職人の手仕事」3つの立ち話。

アバター画像2022.10.11 12:00

 目まぐるしい時代の変化や移りゆく流行の喧騒をよそに、今なお古き良き伝統的な職人の手仕事を堅持し続けるブランドは世界に少なくありません。その中でもぜひ、私たちが後世に語り継いでいきたい、そして知っているだけで少し心豊かになる、3つの「手仕事」にまつわる物語をご紹介します。

SAINT JAMES(セントジェームス)の「先染め」

 1889年に創業したマリンスタイルの先駆的存在「SAINT JAMES(セントジェームス)」。
 その確かな手仕事ぶりは「伝統を正しく継承しフランスの精神を伝達する企業」として高く評価されており、自社工場において伝統的な手法と近代的なシステムを共存させながら、常に一定の高い品質を保ち続けています。

SAINT JAMESのボートネックカットソー

 ノルマンディーの海の暮らしから生まれたセントジェームスのコットンシャツは、着込んで洗ってを繰り返していくたびに風合いが増し、纏う方の身体に馴染んでいく、暮らしに寄り添うパートナーのような存在です。しかし経年変化で味わいが出る一方で、常に初めて袖を通したかのような美しい色彩を保っているのは、ジャージー生地に編む前に職人たちが施している堅牢な「先染め」によるもの。これにより洗濯を重ねても色落ちや色褪せがしにくく、永く愛用することができるのです。

GRAN SASSO(グランサッソ)の「低温染め」

 イタリア中部に聳える山塊の名を掲げる「GRAN SASSO(グランサッソ)」。
 1952年、まさにその麓にて誕生したニットファクトリーは今も創業の地に根差し、広大な敷地のもとシンプルで美しいニットウエアを世に送り出しています。ネロ、エラルド、アルセオ、フランチェスコの4兄弟で始まったディステファノ家による経営も健在、近年は第三世代の家族も入社するなど伝統を受け継ぐその血脈はまさに「盤石」です。

GRAN SASSOのモックネックニット

 そんなイタリアきっての名門ファクトリーが、最高品質のニットにあえてガーメントダイを施し、深みのある褪色感を演出したシリーズが「GRAN SASSO VINTAGE」。袖通しと肌馴染みに優れたとろみある極上の生地感はそのままに、卓越したリンキング技術とそこに描かれる美しい染めの濃淡は、まさに芸術品の域と言えるでしょう。そこで用いられる独特な「低温染め」は、高温に比べ染まりにくくゆっくりと色が馴染んでいく製法のため、それにより自然な経年変化と見紛うほどの独特なムラ感が生み出されるのです。

IL BISONTE(イルビゾンテ)の「ベジタブルタンニン鞣し」

 革小物ブランドとして確固たる地位を確立している「IL BISONTE(イルビゾンテ)」。
 1970年、イタリア・フィレンツェを拠点に鞄職人であるワニー・ディ・フィリッポ氏によって設立され、上質な革を素材に、鞣しから裁断、型抜き、ハンドステッチなどすべての工程を半径30㎞圏内の工場にて貫徹。艶やかさと透明感のあるヌメ革の小物や鞄が代名詞となっています。

IL BISONTEのレザーバッグ

 そんなイルビゾンテですが、薬品による効率的なクロム鞣しが主流の現代においてなお、自社工場のあるイタリア・トスカーナ地方に数千年前から伝わる「ベジタブルタンニン鞣し」にこだわり続けていることでも有名です。栗の樹皮など自然由来な専用液の濃度を変えながら幾重にも渋を浸透させることは、時間もコストもかかる一方、化学には及ばない「自然な風合い」を実現してくれます。そんな鞣しの手間暇を経て作られるヌメ革の作品は、いずれも柔らかで繊細な薫りを持ち、使うごとに味わいの出る美しい色艶はまさに絶品。男女問わず、世界中で愛されるまさに手仕事の名品です。

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日々の暮らしの中で少しだけ“リュクス”な気分になれるようなコト・モノ・知識をお届けしています。
現在、メンバーは【羽】、【山】、【土】、【橋】の男女4人。増員予定あり。

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